PETAL HIVE
Once Upon A Dream

小ネタ・夢設定未満置き場

2024年4月の投稿2件]

2024年4月12日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

吉光家の成り立ちの話第2章
※無駄に長い
#夢設定

父が父なら子も子

新帝とその中宮『若竹』の間に生まれた皇子は母譲りの美貌と聡明さを受け継いだ将来有望な若君であった。しかしながら母の家系の身分が低いこと、新帝には(嫌々契らされた)身分の高い后との間に皇子がいたことから源氏物語に準えて『光る君』と呼ばれていた。
母方の身分以外は非の打ち所のないと言われた光る君だが、彼はあの新帝の息子である。
彼もまた幼き頃に『運命』と出逢っていた。
異母妹である。
半分血の繋がった一つ年下の妹に、恋をしたのである。
元服した光る君は新帝に希った。後にも先にも、彼が父親に頼み事をしたのはこれきりだった。
「妹を私にください」
新帝は言った。
「好きにしろ」
生まれ育った宮を離れ、臣籍降下した彼は吉光姓を賜り異母妹を妻とした。
そして後に二人の妻を娶り、吉光家の血を残していくこととなる。畳む

吉光家の成り立ちの話第1章
※無駄に長い
#夢設定

吉光家は竹取物語と源氏物語が入り混じったような家。

始まりは平安時代。当時の帝の三番目だか四番目だかの皇子はその立場ゆえ適当に遊び呆けていずれは出家でもしてのんびり余生を過ごそう……とか考えてる放蕩者だった。
ある晩、彼は運命に出逢う。
夜の散歩中、涼やかな琴の音に導かれとある邸宅を訪れた。家人に尋ねる。この琴の音の主は誰かと。
家人は答えた。我が家の姫のものにございますと。
その屋敷の姫は巷で話題の麗しき姫君であった。しかし、どのような貴人に妻問われても無理難題を押しつけて追い払ってしまうという。ついた異名は『かぐや姫』。
かぐや姫に興味を持った皇子は、彼女に毎晩文を送る。最初は素気ない態度だったものの、文を交わすうちにお互い惹かれ合っていった。
そしてとうとう、皇子は姫を妻にと望む。そして姫はこう答えた。
「この国で誰よりも尊き御方になってくださいまし」
それは姫にとって断りの文句であった。姫は美貌も教養も備えていたが、身体が弱く日の光を長く浴びることができない体質だったのだ。それ故に、誰とも契らず静かに余暇を過ごすと決めていた。
翌日から、皇子は姫の元を訪れることはなくなった。姫は悲しんだが、致し方のないことだと受け入れた。
それからしばらくして。当時の帝や皇子たちが次々と不慮の事故や病で亡くなるという凶事が続く。民が不安になる中、次代の帝に選ばれたのは――唯一生き残った、放蕩皇子であった。
「迎えに来た」
新たに帝となった男はかぐや姫を妻として迎える。そして二人の間には皇子(みこ)が生まれた。

その皇子こそが、初代吉光家当主である。畳む