PETAL HIVE
Once Upon A Dream

小ネタ・夢設定未満置き場

No.49

吉光家の成り立ちの話第1章
※無駄に長い
#夢設定

吉光家は竹取物語と源氏物語が入り混じったような家。

始まりは平安時代。当時の帝の三番目だか四番目だかの皇子はその立場ゆえ適当に遊び呆けていずれは出家でもしてのんびり余生を過ごそう……とか考えてる放蕩者だった。
ある晩、彼は運命に出逢う。
夜の散歩中、涼やかな琴の音に導かれとある邸宅を訪れた。家人に尋ねる。この琴の音の主は誰かと。
家人は答えた。我が家の姫のものにございますと。
その屋敷の姫は巷で話題の麗しき姫君であった。しかし、どのような貴人に妻問われても無理難題を押しつけて追い払ってしまうという。ついた異名は『かぐや姫』。
かぐや姫に興味を持った皇子は、彼女に毎晩文を送る。最初は素気ない態度だったものの、文を交わすうちにお互い惹かれ合っていった。
そしてとうとう、皇子は姫を妻にと望む。そして姫はこう答えた。
「この国で誰よりも尊き御方になってくださいまし」
それは姫にとって断りの文句であった。姫は美貌も教養も備えていたが、身体が弱く日の光を長く浴びることができない体質だったのだ。それ故に、誰とも契らず静かに余暇を過ごすと決めていた。
翌日から、皇子は姫の元を訪れることはなくなった。姫は悲しんだが、致し方のないことだと受け入れた。
それからしばらくして。当時の帝や皇子たちが次々と不慮の事故や病で亡くなるという凶事が続く。民が不安になる中、次代の帝に選ばれたのは――唯一生き残った、放蕩皇子であった。
「迎えに来た」
新たに帝となった男はかぐや姫を妻として迎える。そして二人の間には皇子(みこ)が生まれた。

その皇子こそが、初代吉光家当主である。畳む