吉光家の成り立ちの話第2章※無駄に長い#夢設定続きを読む父が父なら子も子新帝とその中宮『若竹』の間に生まれた皇子は母譲りの美貌と聡明さを受け継いだ将来有望な若君であった。しかしながら母の家系の身分が低いこと、新帝には(嫌々契らされた)身分の高い后との間に皇子がいたことから源氏物語に準えて『光る君』と呼ばれていた。母方の身分以外は非の打ち所のないと言われた光る君だが、彼はあの新帝の息子である。彼もまた幼き頃に『運命』と出逢っていた。異母妹である。半分血の繋がった一つ年下の妹に、恋をしたのである。元服した光る君は新帝に希った。後にも先にも、彼が父親に頼み事をしたのはこれきりだった。「妹を私にください」新帝は言った。「好きにしろ」生まれ育った宮を離れ、臣籍降下した彼は吉光姓を賜り異母妹を妻とした。そして後に二人の妻を娶り、吉光家の血を残していくこととなる。畳む 2024.4.12(Fri) 18:51:24 favorite
※無駄に長い
#夢設定
父が父なら子も子
新帝とその中宮『若竹』の間に生まれた皇子は母譲りの美貌と聡明さを受け継いだ将来有望な若君であった。しかしながら母の家系の身分が低いこと、新帝には(嫌々契らされた)身分の高い后との間に皇子がいたことから源氏物語に準えて『光る君』と呼ばれていた。
母方の身分以外は非の打ち所のないと言われた光る君だが、彼はあの新帝の息子である。
彼もまた幼き頃に『運命』と出逢っていた。
異母妹である。
半分血の繋がった一つ年下の妹に、恋をしたのである。
元服した光る君は新帝に希った。後にも先にも、彼が父親に頼み事をしたのはこれきりだった。
「妹を私にください」
新帝は言った。
「好きにしろ」
生まれ育った宮を離れ、臣籍降下した彼は吉光姓を賜り異母妹を妻とした。
そして後に二人の妻を娶り、吉光家の血を残していくこととなる。畳む